★事務局便りより
導入予想時期
かねてより噂にのぼっていた大海物語の新機種、CRまわるんパチンコ大海物語3がついに検定に合格した。新機種は検定通過後、一ヶ月ちょっとで世に出回るのが通例となっている。過去の事例通りに行けば、まわるんパチンコ大海物語3の導入日は9月の下旬から10月上旬と予想される。(追記:その後の調べで11月と判明)
パチンコに楽しさを取り戻す?
巷間を賑わしている情報を総合すると、まわるんパチンコ大海物語3は「パチンコの標準(スタンダード)を変える」画期的なスペックであり、「もっと手軽に遊べる大衆娯楽の未来のために」に開発された機種のようである。(「」内はメーカーの宣伝文句をそのまま引用)
すでに、パチンコは遊パチ(甘デジ)中心の時代になっている。なんの知識もない下手な素人がハイリスク・ハイリターンのデジパチに手を出せば怪我の元である。
連日のように負け続け、無一文になってしまったり、それは極端な例としても、ハマリ台に何万円費やしても一向に当たらないというようなことが社会問題化してしまった事実は否めない。知らぬまに「パチンコ依存症」なる言葉も世に定着した。パチンコ業界が窮地に陥ったことは想像にかたくない。
ホールに行ったからには、少なくとも何回かは当たる楽しさを体験してほしいという願いから遊パチは誕生した。しかし、体験者はご存知のように、遊パチはよほど懸命に立ち回らない限り、まともな金額を稼げない。
「ただ遊びたいだけの人は危険の少ない遊パチ」、「真剣に稼ぎたい人は危険を伴う通常のデジパチ」と今ではパチンコファンが完全に二分されている。パチンコならばなんでも楽しめるという人もいるが、やはり、通常のデジパチはどこか殺伐とした雰囲気があり、小額投資で爆発でもしない限り、純粋に楽しむことはできないと言えよう。
なにしろ万単位の賭け事である。いろいろな演出に興奮した後、ふと気がつけば何万円も財布から消えているという空しさは素人ならば誰もが例外なく経験する。
業界トップを走るSANYO
SANYOの天才的な発想力は常に我々の予測を超えたところにある。今回はよく回る仕様にして、パチンコ本来の楽しさを取り戻すことを、まわるんパチンコ大海物語3の魅力に据えた。パチンコといえばまだチューリップタイプの機種が主役を演じていた時代にあった「あの感覚」、遊戯の楽しさをほんの少しでも取り戻したいというほとばしる情熱を感じる。
SANYOはすでに、まわるんパチンコ釣りバカ日誌2を出しており、「通常時の電チュー開放時間の長さ」を売りにしていた。従来機種と比較して、通常時においても頻繁に電チューが開き、それによって回転数が増える楽しみをファンに与えた。冷静に考えれば、当たらなければ、いくら回っても無意味なのだが、人間心理として、よく回れば、なんとなく満足感が得られる上、最終的に当たれば、一般人はよく回ったことが当たったことの最大要因であると考える。
今でもパチンコを単なる確率論、ボーダー理論などで攻略しようと考えている人は残念ながら無数にいる。このような一般大衆に受けの良い機種を開発するとすれば、まわるんパチンコのシリーズ化が最も堅実な選択肢となる。
では、まわるんパチンコ大海物語3の位置づけはどうなるのだろう。まわるんパチンコシリーズの続編なのか、海物語シリーズの続編なのか、あるいは、その両方を兼ねるのか?
きっと、そんなことはどうでもよいということなのだろう。まわるんパチンコ大海物語3を出して、従来の海物語ファンを引き寄せ、釣りバカ日誌ファンも引き寄せ、さらに回るパチンコが好きな人たちも引き寄せる。これが真の狙いと見た。このように、とてつもない発想力でもってこのメーカーは常にホールを自社機で占有してしまう。
意表を突くネーミング
そもそも海物語シリーズの機種名には一貫性がない。スーパー海物語までは整合性のようなものがあったが、スーパー海物語の人気が爆発すると、今度はそれにあやかってスーパー海物語IN沖縄を出した。当初は延々と○○海物語というパターンで新機種を出し続ける予定であったと思われるが、スーパー海物語IN沖縄も予想を遥かに上回る大人気機種に育ったのを見るや否や、なんと海物語シリーズ内に沖縄シリーズを新設してしまった。
ちなみに、スーパー海物語の前に出した大海物語も大変な人気を呼んでいた。大海物語→スーパー海物語→スーパー海物語IN沖縄と破竹の快進撃が続いたが、沖縄の後に出したハイパー海物語INカリブが予想外の不人気に喘ぐことになった。すると、今度はかつての人気機種、大海物語の「魔力」に頼り、大海物語スペシャルというまたしても意表を突くネーミングで巻き返しを図る奇策に出た。派手なパールフラッシュ以外はあまり新鮮味がなかったにもかかわらず、これがハイパー海物語INカリブの悪夢を吹き飛ばす大人気機種となり、SANYOは辛くも業界トップの座を死守したのであった。
見事な戦略
その後はマンネリ打破のための変化球(プレミアム海物語、デラックス海物語、海物語アクア等)と確実に客を引き寄せる沖縄シリーズ、大海シリーズを巧みに織り交ぜながら新機種を発表する傾向が続いているが、この手法にも天才的なセンスを感じる。
敢えて短命で終わる意欲作を出し、客付きが悪くなったタイミングで絶対的な人気を誇る沖縄シリーズと大海シリーズを投入するのが今のSANYOの指針となっている。
さすがに、毎回のように沖縄、大海では飽きられてしまうので、凝った仕様の機種を不人気を覚悟の上で世に出し、一年も経たないうちにシンプルなゲーム性(海物語ファンが一番求めるもの)の機種を出してほっとさせるという作戦は見事というよりない。
この戦略は元からあったとは思えない。当初からの計画であったとすれば、大海物語スペシャルは大海物語2となっていたはずである。必然的に大海物語2は大海物語3となり、今回の機種は大海物語4ということになる。
しかし、当時のSANYOはハイパー海物語INカリブの不人気に心を痛め、汚名を返上すべく限られた時間内で新機種を開発する必要に迫られていた。苦心の末に「とりあえず大海物語スペシャルで行くか」とあまり先のことを考えずに見切り発車したのではないか。そうでなければ、ネーミングに見られる整合性のなさは説明できない。現在の機種名の路線はスーパー海物語IN沖縄2以降に定着したものと思われる。
予想されるゲーム性
さて、気になるまわるんパチンコ大海物語3の内容であるが、釣りバカ日誌2から推測して電チュー開放時間の長さとそれと関連する新機能がセールスポイントになりそうな気がする。まだ展示会の前なので無責任なことは言えないが、今までの傾向から大体のことはわかる。又、大海シリーズは沖縄シリーズ以上に地味なので初代大海物語のパールフラッシュのような一点豪華主義による派手な演出の搭載も有り得なくはない。
楽しむことより稼ぐことを
しかし、演出や機能に興味津々なのは一般人だけである。プロはそんなものには少しも興味がない。稼げるかどうかが関心の的なのである。そして、わかる人にはわかることだが、機種の客付き(人気度)はその攻略に多大な影響を与える。客付きの悪いシマで勝つほど難しいことはない。
超満席で席の移動がなかなかできない状況も攻略には向かないが、最強攻略法・海殺しXはシマの台が50〜70パーセント埋まっている状態が最も猛威を奮う。したがって、毎回、新機種が出てから一週間以内は座る席が少なすぎて、しかも、どうしようもない台しか空いていないようなことが多く、ホールに行っても勝負を見送り、踵を返して家に戻る日もある。しかし、しばらくすれば、超満席状態も徐々に通常の光景に戻ってゆく。そこからが勝負の始まりなのである。
パチンコは勝たなければなんの意味もない。負ければ単なる時間の浪費にすぎない。まわるんパチンコ大海物語3のキャッチコピーに逆らうようで申し訳ないが、我々は楽しむことなどはじめから考えていない。
他の客と協力して勝つ
人気機種であれば、導入直後のフィーバーが終わった後もそこそこの客付きが長期間にわたって維持できる。不人気機種であればすぐにシマはガラガラになる。自分が攻略する機種のシマはいつも賑わっていなければ都合が悪い。我々がSANYOに心からの声援を送り、業界トップの座を堅持していただきたいと願うのはそれゆえである。我々にとって海物語シリーズほど勝ちやすい機種はない。
現在、ホールの大半がホールコンピュータ(ホルコン)で当たりを制御している以上、客付きは攻略に最も重要な要素となる。釘などは常識の範囲内であればよい。釘の善し悪しが勝負に影響を与えたのはハネモノの時代までである。
デジパチでも釘が良い方が得なことは事実である。よく回った方が判断ミスを防げるし、当たる直前で台を捨て、直後に座った人に当たりを持っていかれるという愚かな失敗も減る。しかし、今回は「まわるんパチンコ」なので釘の状態はなおさら関係ないといえよう。そもそも、今の時代、釘の善し悪しは勝つために根本的な要素ではなくなっている。
攻略のために釘よりも遥かに大切なものは客付きである。プロならばホールが回収日と設定した日であっても、苦労せずにドル箱を積み上げる台は一発で見抜くことができる。しかし、それには他の客の協力(応援)が必要となるケースが多い。客付きが極端に悪ければ、不都合なことが多々生じる。
たとえば、自分の台が爆発しかけて途中で止まってしまった場合、「あそこの台に誰かが座って当ててくれれば、自分の台は再度の多連荘に入るのに・・・」と複雑な気持ちになる。自分がその台に移動すれば、すぐに当たる。しかし、それは単発か確変2〜3連荘の可能性が濃厚・・・こういうケースが多く、なかなかその台に移動する勇気がない。
まず移動先で当て、時短終了後にそれまで打っていた台に戻ることができれば最高のパターンなのだが、そうは問屋が卸さない。大抵は自分が移動先でくだらない当たりを出した後に、他の客に今まで自分が座っていた台を取られ、あっというまに多連荘を許してしまう。
これは最強攻略法・海殺しXのユーザーならば、誰もが頻繁に経験する避けられない宿命である。こういう時、客入りさえ良ければ、少し待ってるだけで誰かがそのくだらない当たりを出してくれる。自分はしばらく休んでから打ち出しを再開し、みるみるうちに15箱前後まで積み上げることができる。
攻略のヒント
筆が滑って余計なことまで書いてしまった。更なる蛇足をお許しいただけるのであれば、まわるんパチンコ大海物語3もチャンス目には目を光らせていただきたい。
チャンス目は今では海物語シリーズになくてはならないものになっている。恐らくまわるんパチンコ大海物語3でもチャンス目は継承されるものと思われる。チャンス目は出方によっては、そろそろ当たりが来る台の前兆にもなるし、すぐには当たらない台を見抜く判断材料にもなる。
海物語シリーズは細かい演出上の違いを除けば、根幹となる内部プログラムは従来機種のそれをことごとく踏襲している。前回記事、
【沖縄5 大海4攻略】海物語チャンス目の秘密(←クリック)はそのまま、まわるんパチンコ大海物語3に適用できるはずなので、真剣に勝ちたい方はお暇な折に目を通していただきたい。まわるんパチンコが回るだけ回って、はまるんパチンコにならぬために。
リヴィエラ倶楽部
佐々木智親(海殺しX 開発者)